弥次喜多民謡道中 奥州街道の巻
劇場公開日 1959年4月19日

 

 

 

解説
本山大生の脚本を「妻恋道中」の的井邦雄が監督した歌謡時代劇。撮影も同じく「妻恋道中」の石本秀雄。
ストーリー
浅草奥山の人だかりを前にして、ご存知弥次郎兵衛がいい声で歌い、相棒の喜多八が唄本を売っていた。二人は、病気で苦しむ幼なじみのおヤエの父親を助けるために、金をかせごうというのである。ようやく一分稼いだ二人は、大きな望みをかけて富くじを買った。その夜は、もう大当りをとったような気分で、二人は友達を集めて大騒ぎである。その騒ぎの最中、自分たちのくじ、への六番が、蓬莱屋の番頭加助のくじと取りかわってしまったのに彼等は気がつかない。さて抽籤の当日、への六番が見事に大当りとなった。だが肝心のくじは加助のもとにある。加助が江戸にいるというのを、蝦夷にいると聞きちがえた御両人は、早速北の果てへと旅立った。常陸土浦で、二人は土地の悪貸元鐘馗の赤蔵に追われる、お静という美しい女を助けた。会津の宿でお静が蝦夷松前に行くと聞いて、一行は三人旅となった。山形、秋田をすぎて仙台の城下町にくる頃、二人はお静に惚れこんでいた。ここで弥次さんは追ってきた赤蔵の一味に捕えられてしまった。お静は喜多八に、自分に夫があることを打ち明けた。赤蔵が無理やりにその夫長吉に十両の金を貸し、具合の悪い時を見はからって返済を迫ったので、夫は蝦夷に出稼ぎに出ているのだという。しかも赤蔵は、その上お静の子おみつをさらって、陸中盛岡の興行師に売ってしまったというのである。同情した喜多八はお静と盛岡に急行した。だが娘は八戸の海猫屋に売られた後だった。八戸へ急ぐ途中に二人は、弥次さんを奇計で救うことができた。海猫屋にかけあっておみつを救い出し、お静の夫長吉も見つかった。赤蔵一味も町の人々の助力でこらしめることに成功した。江戸のおヤエからはるばる本当の当りくじもとどいて、気も晴れた一行は、元気で江戸への船に乗りこんだ。...