三橋美智也さんのミリオンヒット曲メーカーの作詞 東條寿三郎さんと、作曲の吉田矢健治さんです。
「月の峠路」は、立川談志さんによって、再発掘された歌です。 ウキぺディアによれば、談志さんはは無類の歌謡曲ファンで、青春時代は歌声喫茶に通いつめた。晩年には『談志絶唱 昭和の歌謡曲』という本を出版もした。ディック・ミネ、田端義夫、三橋美智也などのファンでもありほとんどの曲を歌えるほどで、落語家になってからはミネとは交流もあった。」とあります。
三橋美智也さんと立川談志さんが、「月の峠路」を仲良く歌っている動画が残っています https://www.youtube.com/watch?v=GuaLQBh72oM
三橋美智也ファンで、歌謡曲通の談志さんが、大好きな曲だということをわかった上で、この歌を考えてみたいとおもっています。
琴の前奏が美しいですね。
美しい琴の音のすぐあとに股旅ものによくある、編曲がされている気がします。
歌に入ると三味線の伴奏が多くなっています。
琴と三味線という組み合わせで、面白いことになっています。
三味線の音が粒だって聞こえて、股旅もの感じを作っていることがわかりました。
三橋美智也さんも、股旅ものの感じで歌っている気がします。
歌の緩急がくっきりしていて、こぶしがよく効いています。
一番をみてみると
「一人しょんぼり 」⇒ 「ひとおォりィー しょんぼオーりィー」 とこぶしをまわして、ゆったり歌っています。
「どこまで行った」 普通に歌っています
「影もかたちも 」は普通ですが
「見えやせぬ 別れともない ふたつの心」で続けて、急いて歌っています。追い打ちをかけるように、急くような笛音の伴奏が入ります。
「ハア…」最高の聴かせどころです。伸ばしに伸ばします
「ハアアアー アアアアー アアアーア」と歌っています。
三橋さんは、「ハア」を民謡調に声をはるのではなく、アをわざわざ抑えて歌って、切なさを表現しています。
「 月をはさんで 鈴の音」 音まで静かにうたいます。
このあと、静かにすず音がはいります。
これは、「夕焼けとんび」の吉田矢健治さんの編曲ですが、さすがすごいことになっています。
作詩は感性豊かな詩を書く東條寿太郎さんです。
東條寿三郎さんと、吉田矢健治さんのコンビの曲は「みれん峠」「里恋い越後獅子」「今夜も星がいっぱいだ」という名曲があります。
談志さんは、琴が入るような美しい曲で、歌うのが非常にむずかしい曲を好まれたことがわかります。