あゝ靖国の花が散る
靖国神社の祭神は、246万658柱。戊辰戦争からはじまっているが、今回、西郷隆盛は祀られていないと知りました。(涙?)
政府軍だけがまつられている。国民という立場からすれば、偏った神社だと感じる。
作詞者の川内康範さんは月光仮面の作家である。その作風から情熱と真実の人と思う。芸能界の助っ人として、まるで月光仮面のように活躍された。三橋美智也さんも助けてもらったことがある。
「ああ靖国の花が散る」は、川内康範さんの、慟哭の歌だと感じる。美しい桜は毎年見事な風景を作り出しているが、そのはなびら一枚一枚に、亡くなっていった人達ひとりひとりの酷い物語がある。その無念の思いが、美しい桜吹雪に秘められて、今年も静かに散っている。
三橋美智也さんには、「東京見物」「雨の九段坂」という靖国を歌った歌がある。どちらも戦争で肉親を失った慟哭が描かれている。特に、「雨の九段坂」は、辛酸をなめたであろう老いた母親に、無常に降る雨の冷たさが涙をさそう。
しかし、「東京見物」と「雨の九段坂」とくらべて、「あゝ靖国の花が散る」は一見明るくみえますが、しかし、その歌詞は鎮魂に満ち満ちている。
松尾安巳さんの作曲が美しく力強いと感じます。
三橋美智也さんの歌唱は巧みに見事に歌われています。
「いくさの よしあしいー、」
「しって、 はあ、 いるうーがー」
こぶし
「あいするもの おおおおよ」
こぶし
「いきててん おくーうれえ」
●
「わかれえええ 」 は
こぶし 半音下げる
「つらあーさあーを たあちきってえ えんえんえ」
こぶし
「とおおい いこくにちったひと」
こぶし
「あああー あ あああああ」
「くだんやすくに いのちのはな がああ」
鼻音こぶし
「ひとにみえずにいい」
こぶし
「きょうもしーずーうかぁにい ちってえんいいいるう」
三橋美智也さんのすごい巧みな歌い方に、絶句しています。
ところどころ「ん」が入って、浪曲調がなっています。
こんな風に、心をこめて三橋美智也さんがうたってくれたので、川内康範さんも感動したのではないでしょうか。