「ちんから馬子唄」は、三橋美智也さんのミリオンヒット曲のメーカーの横井弘さんと佐伯としをさんの作品です。
  お二人の作品は数多く、「海の騎士」「東京よいとこ」「保津川下り」「情け無用の男」「故郷はどこさ」「ネズミがちゅー」「センチメンタルガイ」「懐かしの高原」等があります。

 

「ちんから馬子唄」は、34年8月に発売で、34年7月には「古城」が発売されています。
三橋美智也さんの歌唱がますます充実している時期の歌です。
 高音の魅力加え、歌唱にも優れた、すばらしい歌だと思います。
 馬が出てくるお馴染みの「達者でナ」は、35年10月の発売で、作詞は同じ横井弘さんです。

 

 三橋美智也さんはどのように歌っているでしょうか。

 

「すずぅはーぁ ちぃんからぁ」
           巻舌
「とぉぉげは からぁぁり」

 

「なぁーくにゃぁ まぁぶしいぃ」
 「ま」を弱く歌っています
音の強弱をつけると、次の「茜色がクッキリしてきます」

 

 「あーかねぇいろぉー」
大きく
すこし鼻にかかっています
最後は絶唱に近いです

 

「すきと言えずに 駅までおくる」

 

「手綱さばきの」

 

ここまでは、とくに伸ばさずおなじテンポでうたいます

 

「の」は小さいです

 

 「重いこと」

 

 おもいぃこぉとぉ

 

すこし重く歌います

 

この歌い方は、みはしさんの独特な声のだしかたです。
口びるをまるめて、膨らんだ丸い声を出します
強く印象が残るはずです。

 

 「あお よぉ ごめんなぁー」

 

あおはささやくように  なあと声の高さをあげていきます。

 

 ハイ ドウドウ

 

「はい」と切って ドウドウは声を膨らませていますが、弱くうたいます。

 

夢の様な美しい情景が浮かんできます。
恋人を愛馬にのせて、駅まで見送っているのです。
恋人に好きと言えずに駅までおくる。
自分の気持ちを知っているのは、愛馬の黒馬だけだ。

 

伴奏は、ピアノと弦の音と鈴の音の構成で、飾り気がなく、歌がくっきりと際立ちます。

 

 三橋さんの伸びのある高音の魅力たっぷりです。