あんたの背中は温かい。
男の背中で遊んだり、甘えているかわいい女の姿が見えてきます。
作詞は福田一三さん、作曲は「いいもんだな故郷は」の川口真さんです。
男女のやさしいいたわりの気持ちが表現されています。

 

この歌を、三橋さんは、ほとんどこぶしを使わずに歌っています。
「能ある鷹は爪をかくす」といいますが、そんな感じです。

 

昭和50年代に入り、歌の世界が、一般の人が歌いやすいような歌い方をもとめるようになると、三橋さんは一般の人が歌えるような、こぶしを少なくした歌唱法を選んでいったのではないかと思っています。
でも「いいもんだな故郷は」などは、簡単なようで、あの味をだすのは、素人にはとても出来ません。

 

 

 

三橋美智也さんは、どううたっているかみてみましょう。

 

 

 

「あーぁぁんたぁの せぇなぁかにぃ ふーるさぁとがぁぁぁ」
   こぶし                 こぶし 

 

「みえてるぅ みえてるぅ あーあ みえているぅ」

 

「まつりぃの はやしの あいしゅうがぁ」

 

「かぁきぃのみ おてらの ゆうやけぇぇがぁ」

 

「あーぁぁんたぁのせなかぁで もーえてる      とぉ」
               声をまるめる    
「おまえはぁ こどもぉのぉ よぉぉにぃゆぅぅう」
                   こぶし

 

 

こぶしをつかわず、声の出し方や強弱で表現しようとしているように聞こえます。
やわらかく、親しみやすくなった、三橋さんの声の質を生かしているのだと思います。
「とぉ」はこぶしではなく、「と、お」とゆっくり歌っています。
最後の「ゆう」は、唯一、三橋さんのふつうの「こぶし」になっています。
この歌はとても人気があります。