「あゝこの街に雨が降る」

 

38年5月に発表された、作詞の矢野亮さんと作曲の佐伯としをさんの作品です。
雨の別れは悲しみをかくしてくれる。
雨は泪をかくし、心に燃える火も消してくれる。
泪で滲んだ空に、星をみつけよう、ふたりながめた星を。

 

私なりの歌の解説を試みてみましょう。
三橋美智也さんは高音の美しさが評価されています。
私は三橋美智也さんは音域がひろく、高音だけでなく、低音も美しい声だということに気が付きました。
三橋美智也さんは音域がひろく、高音も低音もきれいに響きます。
それが三橋美智也さんの歌の特徴です。

 

一番で説明してみると
「夜風」が非常に高音で入っていて
2行目の「一人の」が非常に低い音です
幅広い声に、まず驚かされます。
そして、高音でも低音でもきたえられたきれいな声です。
音程も正確です。
追悼ビデオの中で、ペギー葉山さんが、三橋美智也さんの音程の確かさについて語っています。
https://youtu.be/L6wuqzSG4cw
それが、三橋美智也さんのもう一つの特徴です。

 

三行目の泪で、声をすこし鼻にして鼻音を利かせています
二回繰り返しますので、この効果で、悲しみの感情が深まります。
「じゃないんだよお」は、「よおー」を強く打ち付けるように唄っています。
最後は納めるように唄っています。
鼻音については、同じ追悼ビデオの中で、上原敏さんの真似をしたと言っています。
三橋美智也さんは、追悼ビデオの中で東海林太郎さんの歌い方を勉強したといっていますが、非常な勉強家です。
https://youtu.be/L6wuqzSG4cw

 

 

 

三橋さんは音域の幅が広いので、ドラマチックな唄が作れます。
三橋美智也さんは表現力豊かな歌手だったと思います。

 

三橋美智也さんはどのようにうたっているでしょうか。

 

「よおーかぜにぃちったぁ こぉーいなぁらぁばぁー」
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「ひとりぃのぉかげぇぇにぃ なげくぅまぁぁい」
低音
「あおいだ頬をー つめたくぬらす」
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「なみだじゃぁ なみだーじゃ ないんだよーおおー」
      止める             絶唱  ビブラート
「あーあ―あ このまちにぃ あーめえがぁふうるう」
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