三橋美智也さんのミリオンヒット曲メーカーの作詞の横井弘さんと作曲の船村徹さんです。 「ど根性船唄」は「さすらい船」(横井弘・船村徹)のB面です。
船村徹さんはキングレコードで故高野公男さんと組んで作曲をしていた時期(昭和31年まで)があります。そのころの思い出を、三橋美智也さんは「ミッチーの人生演歌」の中で書いています。
引用
「あの娘が泣いている波止場」の高野公男さんは作曲の船村徹さんとのコンビで有名でしたが、体がよわい方でした。 大変な才能の持ち主だったと思います。船村さんともども、三人でよく飲みにでかけたものです。 まださほど売れておらず、作詞、作曲の依頼もあまりこなかったころですから、酒が荒れることもあります。 私と船村さんは、 「レコード会社の偉いさんに、見る目がない」 と大声で悲憤慷慨、高野さんは飲まないから、それを横でジッと聞いていました。 深夜、タクシー代もないから、三人で歩いてネグラにかえる途中、 「いまに天下をとってやるぞ―っ」 わめきにわめいたこともいまは懐かしい思い出です。 高野さんは短い生涯を閉じましたが、惜しい人を亡くしたと思っています。」
引用終わり
三橋美智也さんにとっても、お二人との思い出は深いのです。 三橋美智也さんはどのように歌っているでしょうか。
「しろいきーぃばぁむぅくぅ あーぁらぁなぁみぃこぉぉえてぃぇ」
訛り
「あみをひーぃくのぉはぁ おとこのみょ―ぉぉりぃ」
「かもめぇんなぁけなぁけぇ どぉどぉんとこらぁせぃぇー」
訛り
「はれのふーぅなぁでぃぇだぁ きたこらさっさのせぇ」
訛り 訛り
「しぃおでぇー みぃがいたーぁぁんぁぁ でっかいこんんじょうー」
浪曲調 ビブラート
「ひろいせーぇかぁいーぃぃに みせてぇぇやぁぁろぉー」
止め ビブラート
「三橋美智也さんは、歌謡曲を標準語の発音で歌うために訛りを克服していますが、この歌では訛りを残しています。」
「三行目はかもめのあとにんが入っています。」
「ん」をいれると鴎が協調され、リズムができます。
「しおでみがいたーぁぁんぁぁ」が浪花節調です。
「ひろいせかいに」で、きっちり止めています。
船村徹さんの粘りのある船村節です。
海の歌が大好きだった三橋美智也さんは、生きが良い若い漁師の心意気を歌いきっていますね。