三橋美智也さんのミリオンヒット曲メーカーの林伊佐緒さんとたなかゆきおさんの作品です。

 

 林伊佐緒さんは、三橋美智也さんの歌をたくさん書いています。 1「二人の朝はきっとくる」2「リンゴ村から」3「木曽恋がらす」4「母恋吹雪」5「リンゴ花咲く故郷へ」6「島のみえる峠」7「幸福さん」8「てんまり波止場」9「泣くなよしきり」10「みかんの故郷」11「島のあんこさん」12「日本音頭」13「離れるもんか故郷を」14「ニコニコ音頭」15「古都の雨」16「影」17「湯の町さのさ」18「雪小僧」19「紅の櫛」

 

 林伊佐緒さんは、紅白歌合戦に11回の出場歴がある有名歌手です。キングレコードの専属歌手で、作曲家でもあり、日本最初のシンガーソングライターといわれました。
 歌手活動としては「もしも月給があがったら」が大ヒットし、「真室川ブギ」「ダンスパーテイの夜」「麗人草の歌」などたくさんのヒット曲があります。

 

 作家活動としては、TVの「てなもんや三度笠」、春日八郎さんの「長崎の女」「ロザリオの島」などを作曲しました。

 

 三橋美智也さんにとって、林伊佐緒さんは、歌手の大先輩であり、「リンゴ村から」「母恋吹雪」など、代表曲の作家でもあり、三橋美智也さんにとって非常大切な方だったと思います。林伊佐緒さんは、三橋美智也さんの最晩年の曲、「雪小僧」「紅の櫛」(1995年)の作家であり、三橋美智也さんの生涯にわたり、あたたかく見守ってくださった方だと感じます。

 

たなかゆきおさんは「白菊の唄」「木枯し子守唄」など、心に沁みる歌をたくさん作られています。たなかさんと林さんのコンビの「てんまり波止場」は、三橋美智也さんのかくれた名曲といえると感じます。「母恋吹雪」ように子供の心情を歌った歌は、哀切を極め「恋し父さん」の高音がなんともせつなく、胸に迫ります。

 

林伊佐緒さんは、三橋美智也さんと同じ歌手としての立場で作っている気がしてなりません。
「りんご村から」「泣くなよしきり」や「影」など、独創的で、歌手の歌心をくすぐる歌をつくっています。

 

 三橋美智也さんはどのように歌っているでしょうか。

 

 「てぇんてぇんてんまりぃぃ てんてまぁぁりぃー おしえてぇおくぅぅれぇー」
 語呂     語呂            ビブラート

 

「きょうもぉごじゅぅぅぅでぇ ひがくぅれぇたぁー」          
          語呂            ビブラート

 

「あすはどーぉれほどぉぉぉ ついたなぁぁら」  
           語呂      語呂

 

「こいしーぃとうさぁぁん みーぃなぁとへぇぇさぁー」
 高音 語呂    ビブラート      語呂   ビブラート

 

 「てんてんてん てんてんてん かーぁえぇるぅぅやぁぁ  らぁ」                  
                       鼻音語呂  巻舌

 

 「みなとえさあー」のため息の様な余韻が美しいです。

 

 最期の「帰るやら」も印象的ですね。
一番の最期の越後獅子のような、横笛の間奏が哀調を濃くしています。