作詞はたなかゆきおさん。作曲は三橋美智也さんです。

 

もがり笛とは冬の激しい風が竹垣や柵(さく)などに吹きつけて発する笛のような音とあります。見えてくるのはすさまじい吹雪です。

 

三橋さんは厳寒の津軽地方に何度も民謡のルーツをもとめて古老を訪ねたことがあります。
そして、ご自身も十代のころ、民謡公演巡業中に凍死寸前の事態に遭遇したことがあります。
貧しさと寒さの体験から歌いだされる子守歌は胸をうちます。

 

三橋美智也さんはどのように歌っているでしょうか。

 

「やまはくーぅれたぁしぃー すすきぃはぁねぇぇたぁにぃよー」
鼻音
「せなぁでぇぼうやがぁ またすぅぅねぇるー」   
鼻音
「ひゅぅる ひゅぅる 北風さぁぁ  もがぁりぶぅえー」   
 鼻音          スラー         溜息声
 「ちちのないこを ちちのないこーを なーぁぜぇなぁかぁぁ すー」                           
                            溜息声 哀感こめて

 

オカリナの音が美しいです。
 子守りの歌というより、貧しく若い母親のうたです。
 三橋美智也さんは、母親の気持ちになって歌っています。
 三橋美智也さん鼻音を強くして哀感を深くして、語尾を溜息声を使って長く伸ばしています。
哀切極まりないこの歌を三橋美智也さんはこのように歌っています。