逢い初め笠

 

作詞が高橋掬太郎さんで、作曲は飯田三郎さんです。長谷川一夫さん主演映画の主題歌です。

 

 

三橋さんの股旅ものが多いですが、三橋さんの股旅ものの特徴は小節がスムーズなことです。

 

三橋美智也さんの股旅ものは、従来の股旅ものと歌い方が違っています。

 

股旅ものといえば上田敏さんです。
上田敏の股旅ものといえば、「流転」があります
「流転」と「逢い初め笠」は違う歌ですが、
比較してみました。

 

上田敏さんの流転の中に「男、いのちを三すじの糸に」とあります
「おとーこ」と上田敏さんははっきり歌います。
まるで、歌曲のような歌い方です
三橋さんは
「男盛りを」喉をしぼって
「おとーこおおおおお」とこぶしを転がしています。
このように小節をいれています。

 

私は、上田敏さんや東海林太郎さんの歌曲的な歌い方から、「逢い初め笠」のようにこぶしをきかせた歌い方にかわっていったのではないかと思っています。

 

三橋美智也さんはどのようにうたっているでしょうか。

 

「もぉぉってぇぇぇ うまれぇぇたぁぁー しょうねぇとぉやぁらぁでぇー」
                                ビブラート

 

「おとこぉぉぉざかりぃぃぃをー たびいぃがぁらぁぁすうー」
             ビブラート        ビブラート
「いじでぇわぁたれぇばぁ またぁふぅりぃかぁあかぁかる」

 

「あぁだぁなぁ― しらはぁのぉ ひぃぃとぉしぃぐぅぅれぇ」

 

鼻音でうたい、こぶしを利かせていますね。